2008年3月25日

目次

  ・「明日の神話」

  ・「ポップ道」展覧会

  ・東京都現代美術館



  ※  この記事へのコメントは、
掲示板にお願いします。 




Bill is a funny painter.

東京都現代美術館レポート



★「ポップ道」「明日の神話」見てきました。★

滅多に行かない展覧会情報。
(ここに掲載した芸術作品は、「パブリック・アート」として、撮影許可されているものです。)


・岡本太郎作「明日の神話」
      

特別公開:岡本太郎《明日の神話》
2007年4月27日(金)15:30〜2008年6月29日(日)まで展示。
今回、一番のお目当てです。

参考ホームページ
明日の神話オフィシャルページ

ほぼ日刊イトイ新聞―なんだ、これは!

東京都現代美術館ホームページ






2003年に、メキシコで発見された《明日の神話》、その後考古学的手法を用いて困難な修復作業が行われた。

この「考古学的」とは、例えばバラバラの状態で発見された出土品の、「パーツ」一つ一つに記号をつけ
それらをデータベース化して、パズルを解く要領で 修復していくことです。
この手法を絵画の修復に応用したようです。損傷の激しい上に、巨大で分割しないと輸送できなかった
《明日の神話》の修復には、欠かせない技術だったようです。

断片化された絵の修復作業は、当時の写真や制作に立ち会った関係者の証言を基に進められました。
そして、2006年7月7日、潮留の「日本テレビ」で公開されました。

私は、これをきっかけに、中高生時代に好きだった「太郎作品」を改めて見直してみようと思ったのです。


  ・「岡本太郎」への思い入れをつづってみました。





美術館の3階には、《明日の神話》と「太郎」に関係深いアーティストの作品も多数展示されていました。
9室には、「太郎」の旧都庁壁画《日の壁・月の壁》複製や、《明日の神話》以前に書かれた絵画、
また、同年代に活躍し、影響しあったであろう他の現代作家の作品が、展示されていました。
特に、多数の注射針を樹脂で貼り付けた作品 原色の力強い作品が、印象的でした。


9室を抜けるといよいよ、《明日の神話》が展示されている10室です。
縦5.5m  全長30mの巨大な作品に圧倒されました。
                    
10室に入ったすぐの所に、左写真にある「作品」が展示されていました。

これは、4枚存在する《明日の神話》の下絵のうち 最初に書かれた「第0号」下絵です。
なぜか白く塗りつぶされていましたが、赤外線写真を撮ると、上側にあるような絵が 描かれていたのが確認されました。

最初から、ほぼ完成に近い構図になっています。

      
      
      
      
      
      
3Fの広大な展示室に展示された、岡本太郎の傑作  巨大壁画《明日の神話》
(このスペースでの撮影も許可されておりましたので、撮りまくりました。)
ちなみにYouTubeにも、沢山の方々が《明日の神話》の動画投稿をされています。
                   
                   
                   
この部分は、ビキニ環礁で被爆した第五福竜丸を
表現したと言われています。
資料映像によると壁画発見当時、欠損していた為
下絵をもとに再現されたもようです。
                    
なんとなく可愛らしく感じてしまうのは私だけでしょうか?
                    

左の写真は壁画の裏側です。 補修した様子を見ることができます。

この場に30分以上とどまってしまいました。
修復に関する資料映像がビデオで上映されており大変興味深かったです。

見学者の中には、おばあちゃん、娘、孫と思われる一団もおり、
とっても和やかな雰囲気も漂っておりました。
渋谷に永久展示されるそうですが、ここまで間近に見れるのは、
今回限りかもしれません。
                   
      
      
      


巨大壁画の余韻を引きずったまま  11室へ。

ここは、太郎に影響された「2000年代活躍している若いアーティスト」の作品展示スペースです。
特に、目を惹いたのは「宮島達男」の
《それは変化しつづける  それはあらゆるものと関係を結ぶ  それは永遠に続く》 という作品。
薄暗い展示室に、壁一面にうごめく、赤い数字「赤い7セグメントLED」が表現するアートです。

1728個のカウンターが、各々別の時間を刻んでいる、しかしよく見ると無秩序に動いているのではなく
他のカウンターの影響を受けて、別のカウンターが動作するシーケンスが組まれている。
確かに、タイトルにあるような意図が、見受けられます。
これは実際見ないと実感できないでしょうが・・・。とってもユニークです。(残念ながら撮影不可でした。)

・Tatsuo Miyajima.com



で、11室を出たところにユニークな「ドキュメントビデオ作品」が上映されていました。

青木兼治 ヤノベ・ケンジ「太陽の塔乗っ取り計画」という作品です。
なんと、「アトムスーツ」という「黄色いガスマスクのついた放射能よけスーツ」を着て、
許可なく立ち入れない「太陽の塔」の内部に入り、目の部分まで上り、下界を眺めるという パフォーマンスです。
万博開催当時にあった「立てこもり事件」を彷彿させるものでした。
普段見ることのない、太陽の塔の内部を見ることができる上、緊迫感があり面白かったです。

同時上映されていた「アトムスーツ・サヴァイヴァル・リヴァイヴァル」という作品は、
アトムスーツを着たヤノベ氏が、チェルノブイリに赴き、現地の人と触れ合いながら撮った作品です。
「放射能の恐ろしさ、それと共存しなければならない現地の人の現状」が描かれています。

高度なテクノロジーに依存しつつも、その裏に秘められた危険を知らされていない「無知」な人間
(私も含めて)・・・そんなメッセージ性が感じられました。

・YANOBE KENJI ART WORKS


今回の展覧会とっても有意義でした。また訪れてみたい「東京都現代美術館」

2008.03.25

ページのTopへ

      

・「ポップ道」展覧会
             



「ポップ道 1960s-2000s」展覧会
東京都現代美術館 常設展示室 2007年10月20日〜2008年4月13日まで開催。
特別公開:岡本太郎《明日の神話》も同時公開です。入場料 大人\500です。

1960年代〜2000年代のポップアートの変遷がわかる上に《明日の神話》も見ることができる
とっても「お得」な展覧会だと思います。
      
      
      
      
「アトリウム」に展示された作品  スゥ・ドーホー作《リフレクション》
(アトリウムに展示された作品は写真撮影が許可されていたため撮りまくりました。)
                   
「アトリウム」入口より撮影
側面より撮影
3Fへ向かう階段の踊り場より撮影
作品の構造がよく理解出来ると思います。
                    
3Fより撮影。まるで「異空間」
下側の作品が透けて見えてより幻想的。





スゥ・ドーホー作の《リフレクション》は、父が調査の末に
再現した韓国の伝統的様式をもつ実家の門を  かたどったもので、
家族や民族の重層的な記憶を宿した作品です。(パンフレットより引用。)

Lehmann Maupin Gallery/Do Ho Suh
上記のHPの"EXHIBITIONS"から作品がご覧になれます。




      

MOTコレクション 「ポップ道」1960s〜2000s感想

< 久しぶりに、美術館へ行ったので鑑賞の仕方?を忘れてしまったw
というか、今回のようにレポートを書くなんて前提で見に行ったことがないので、
どんな作品が展示されていたとか、どんな印象を受けたなんて
いちいち メモなりとることをしなかった。 おまけに、常設展だったので「カタログ」が販売されていなかった。
というかチェックが甘く、気付かなかったのか。

実は、展示室内に作品毎に「リーフレット」が置いてあり、それを持って帰ればもう少し
掘り下げられたのであろうが・・・
MOTで常設展を鑑賞される際は「リーフレット」を持ち帰ることをお勧めいたします。
また、どのようなものが展示されているか、入場の時もらった「パンフレット」を
予めチェックするのも 必要かなとおもった。 なんか作品を見ることにばかり集中してしまった。

この常設展では、1室から8室の部屋を回って1960年代から2000年代にかけての「ポップ」アートの
歴史・変遷が見れるようになっております。
9室から11室は岡本太郎関連ですが、「ポップ」アートとの結びつきも伺えます。

以下 部屋毎のテーマです。
1F
1室は         「ポップ 百出」
2室は         「ポップ 共振」
3・4・5室は 「ポップ 反転」
6・7・8室は 「ポップ 遍在」

3F
9室は       「太郎が認めた若者たち」
10室は     「明日の神話」
11室は     「未来への飛翔」

さて、今回の展覧会で、興味をそそられたのは
先ず、「アトリウム」に展示された 「スー・ドーホー」の作品 また、
同じスペースに展示されていた 「藤本由紀夫」の《EAR WITH CHAIR (MOT)》
いずれも写真撮影が可能で、アート作品の距離感が「縮まった」ような感じがした。

本来であれば部屋毎に展示された作品について感想を述べるべきなのでしょうが
すでに、記憶があいまいです。

印象に残ったアーティストは、「横尾忠則」「アンディ・ウォーホル」
「タイガー立石」「靉嘔 Ay-O 」「奈良美智」「会田誠」「トニー・アウスラー」等です。

「横尾忠則」「靉嘔」の作品は、20数年前 国立近代美術館で見た「60年代の現代美術展」で
すでに馴染みがありました。「靉嘔」のレインボーカラーの「アダムとイブ」に再会

以前テレビ美術館で見た「横尾忠則」の60年代の作品では、死をイメージさせる作品群
(例えば首吊りのシーンの入ったイラスト風な作品)以前から興味がありました。
生と死を「シュールな切り口」で見せてくれる横尾作品に興味があったからです。
残念ながら、今回展示されていたのは違う題材のものでした。
(話は、横道にそれますが「アニメ・絶望先生」は「横尾作品」の影響も受けていたのではと
感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。)
・Tadanori Yokoo Official Site

「アンディ・ウォーホル」の展示作品は有名な「マリリン・モンロー」の肖像がモチーフ
にされているものでした。
  「ウォーホル」と言えば「アカ・アオ・グンジョウイロ・・・」と昔のCMを彷彿しました。
・アンディ・ウォーホル-Wikipedia

「タイガー立石」の《アラモのスフィンクス》という作品。
シュールレアリスムとアメリカンポップと戦争画の融合のようで、興味深いです。
・「タイガー立石」の《アラモのスフィンクス》artlog

最近流行りの日本人アーティスト、「奈良美智」「会田誠」の作品もありました。
「奈良美智」の《サヨン》他 大きな作品が2点展示されていました。
  眼の中に星がいっぱい入った少女の絵が印象的です。
・筑摩書房PR誌ちくまHP 表紙絵《サヨン》

「会田誠」の「戦争画RETURANS」シリーズ 屏風絵が2作品ありました。
 一つは、地上と海上での爆発を描いたもの、
もう一つは強風の中、日の丸を掲げた夏服のセーラー服の少女と、
韓国の旗を持つ「チマ・チョゴリ」を着た少女が対峙する様が、細い線で描かれていました。
パンフレットでは「劇画的様式」と書いてありましたが、やはり他の作家と比べると異色な感じがしました。
「問題作」というのも、うなずけます。
・「戦争画RETURANS」美しい旗
・会田誠 高橋コレクションHP

あとユニークだと思ったのは「トニー・アウスラー」の《1,2,3》という作品です。
トランクに入った貧弱な人形が、スタンドの明かりに照らされ 薄暗い展示室の隅に置かれていました。
そこに「妖しい女性の喘ぎ声が・・・」SEとして被されておりました。
なんとも不思議な空間であり シュールです。

他にも、靴を脱いで作品内入る ユニークな展示物もありました。
「柳幸典」の《ヒノマル・コンテナー(ヤマトTUMULUS TYPE ¥)》と言う作品です。 ネオンと鏡からなる、不思議な空間でした。
・「柳幸典」の《ヒノマル・コンテナー》 練馬区立美術館HPより
・TOKYO ART PATROL for ART MANIA

以上が、私が印象に残った「ポップ道」の作品です。
最初にも書いたとおり、もう少し準備して見に行くべきだったと反省はしているのですが、
楽しく鑑賞出来たと思います。 また、60年代の「ウォーホル」をはじめとする「ポップ」アートの概念が、
ここにきて変化し、解釈も広がっているのだなと感じ入ったところです。
      

2008.03.25

ページのTopへ

      

・東京都現代美術館
      



東京都現代美術館(MOT)は東京都江東区三好の都立木場公園内にあります。 最寄りの駅は、東京メトロ東西線「木場駅」になります。

「木場駅」から北へ向かって1Km程歩くと、左の写真にあるとっても「モダンな建物」 が見えてきます。  これが美術館の建物です。
敷地内には、野外彫刻・オフジェが展示されています。

撮影可能な「パブリックアート」の彫刻、数点を写真に収めました。
                   


左の写真は、美術館の下部です。

建物下には「ピロティ」スペースがあり
右写真のような彫刻も設置されています。

とっても、斬新な建築・空間だと
思います。
      
      
      
      
東京都現代美術館に展示されている屋外彫刻
(写真撮影に夢中で作者・タイトルのチェックを怠りました  ^_^; )
                   
                   
                   
遊具としても遊べるユニークなアート作品
アルナルド・ポモドーロ作 「太陽のジャイロスコープ」
      

2008.03.25

ページのTopへ


      
inserted by FC2 system