Bill is a funny painter.

東京都現代美術館レポート



★「ポップ道」「明日の神話」見てきました。  番外編★

「びる」は、何故こんなにも「岡本太郎」に思い入れが強いのか?その理由  1

以下の文章は「びる」が、「いちかわエフエム」の某音楽番組へ投稿したメッセージです。
(2006.6.15放送分)




・話題1

前回の放送内容「フローレンス・フォスター・ジェンキンスさんの声楽特集」を受けて

「フローレンス・ジェンキンス」さんの音楽について
彼女の演奏の"音楽性"について感想を求めるのは酷というものです。

さて、本当に特殊な解釈ですが"岡本太郎的観点"で、フローレンス・ジェンキンス女史の演奏を解釈するならば "なんだこれは、醜悪だ! しかしそれこそが美しく、芸術的だ" という言葉が当てはまるんだろうなと思いました。 (これはもともと絵画・工芸に向けての発言です。)
  芸術を、"醜悪、思いもよらない描写、挑発"に見出している 岡本太郎的観点に立てばフローレンス・ジェンキンス女史の演奏は充分芸術的ではないでしょうか。

 無理矢理、こじつける様ですが、私は、岡本太郎氏の絵画や精神に感慨深い物を持っています。
某TV局が、岡本太郎氏の精神をテーマにしたキャンペーン"Be TARO"を行っていて、同時に岡本氏の原爆をモチーフにした大作"明日の神話"という巨大壁画(30mx5.5m)が、30数年ぶりに修復され展示されるそうです。今後、岡本太郎氏が注目されそうです。

さて、中学時代シュールレアリスムの絵画に凝っていた私は、まだ船橋の西武百貨店に美術館があった時、岡本太郎氏の絵画展を見に行きました。
  絵画展は80年代に創作された作品中心に展示されていたのですが、初期の作品"森の掟""傷ましき右腕"や70年代の"明日の神話"の試作品も展示されておりました。

 絵画展で出品目録を買うと岡本氏の直筆サインがいただけるという企画があり、岡本氏と間近に接する機会がありました。
  中学時代、シュールレアリスムかぶれの絵を描いて自画自賛ぎみだった私は、無謀なことですが、岡本氏に自分が描いた作品を見せてみたいと考えたことがありました。 実は、現場まで絵は持って行ったのですが、その場の雰囲気や、岡本氏のオーラに圧倒され、躊躇してしまいました。

 最近TVで、「岡本氏に関するエピソード」を求められた石原都知事が、高校時代のエピソードを語っていました。 日本で初めて開催されたピカソ展を石原氏が見に行った時の事です。 若い石原氏は、そこにいた岡本氏に向かって"抽象芸術論"について食って掛かったそうです。 そんな訳もわからない若僧を相手に岡本氏は真剣に芸術論を闘わせたそうです。
「若僧と対等に向かい合い芸術論をむきになって闘わせる岡本氏」の事を石原氏は、懐かしそうに話されていました。

その話を聴いた時、「勇気を持って岡本氏に話し掛けられたらよかったな〜」と感じてしまいました。 全く相手にされなくても、1つや2つケチをつけられたとしても、「自分で書いた絵を見せても良かったかな〜」と、思ったりしたのでした。 かなり恐れ多いことですけどね。
 岡本氏は児童が描く"純真な、のびのびとした絵"にかなり理解を示されていたと、聞いたことがあるので、ひょっとしたらそんな無鉄砲な希望も受け入れてくれたのではないかと、思う部分もありますが…。 正直なところ石原氏ならともかく、文化人の岡本氏においそれと、中学生が声をかけられるはずもないだろうなと思います。
 
   今になって、思春期になんでこんな絵を描いたのか理解しがたいものがあります。
私事ながら「ほとんどビョーキ」です。家族にも見せられたもんじゃありません。
多感な思春期、絵画に限らず音楽にもその時期にしかできない物があるとおもいます。
"思春期と芸術"について取り上げてみてはいかがでしょう?

以上 メッセージより抜粋

中学生の時に描いた「変な絵」は、引っ越しの時紛失してしまいました。
私が、アートに興味を持つようになった原点は、ここにあると思っています。

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